9631物語・・・聞くも涙、語るも涙!?

八ヶ岳高原ライン小海線コーナー  「 野辺山駅・ 旧駅舎のころ・・ 」  の前座のお話です。

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1980.5.2~3  2326レ~9631レ、  小海・上田往復ルート  (付いていたタイトルです)


ゴールデンウイーク3連休の前夜、いつもの駅のホームに立った。 東京経由・小淵沢迄3100円の切符を手にして。 
間もなくEF5890に牽引された13両の客車が入ってきた。 いつも旅のラストランナーに利用しているこの2326レから今回の旅が始まる。
いつもの如く最後尾の車両の一番後ろの席に座る。 荷物を網棚に上げると遥か前方からEF58のホイッスルとともに 「ガッガッガッガッ ガチン!」 と客車特有の振動が心地よく体に伝わった。
さて、高崎線を客車列車で上野を目指すのは何年ぶりのことだろう・・ 最後に乗ったのがあの53-10ダイヤ改正前日に、最終運行となった2322レに上野まで乗って以来である。
その2322レは直江津を322レとして朝5:07に出て、高崎に11:38着、高崎で客車を増結、7両から13両の堂々たる姿になり高崎発12:27快速上野行という、この2326レと似たような運用ながら「白昼の」高崎線を突っ走り、14:31上野着というダイヤであった。
今回の2326レは 「 夜行 」 であり車内も寂しく、あまり面白くないが 「 夜汽車 」 の雰囲気は充分で、末永く生き延びてもらいたい列車である。



1980.5.2 高崎線2326レ
 EF58 90 高二   ↑上野
・マニ 37 2019  北オク
・オユ 10 2571  北オク
・スハフ42 2003  高タカ
・オハ 47 2320  高タカ
・オハ 46 2628  高タカ
・オハ 35 2557  高タカ
・オハ 35 2560  高タカ
・スハフ42 2004  高タカ
・オハフ45 2203  北オク
・オハ 46 2032  北オク
・オハ 46 2514  北オク
・オハ 46 2029  北オク
・オハフ45 2205  北オク  (乗車)


遠く近くに流れる光を窓の外に見ながら、しばらくこんなムードに浸っていたら熊谷に着き、客がドッと乗ってきた。 今までボク一人しか居なかった車内もほぼシートが埋まってしまった。 ここで乗ってきた客は大宮から上野にかけての下車客がほとんどで、この列車について色々しゃべっている。 
「 なかなか風情があって良いね~ 旅に出たみたいだ。 」
「 えっ!大宮着が9時25分だって!のろいな~。だいいち、このボロ、大宮まで行くうちにぶっ壊れないだろうなぁ。 」
「 高崎線にこんな列車が残っていたのか! 知らなかったョ 」
などと、この列車についての色々な批評が飛んでいる。  ~今の時代、のろまの鈍行だって、2時間掛からずに上野に着くのにこの列車は2時間33分も掛かり、途中で抜かれる特急・急行は高崎~大宮間で5本に及ぶ。 それでも完全規格ダイヤの大宮~上野間はEF58の性能を一杯に発揮、特急列車と変わらぬ時間で走り抜く。



イメージ 1

桶川で顔を合わせた115系929M



大宮で、客を満載して福井を目指す 「 越前 」 を見て、これから乗る9631レに対して”いやな予感゛がしてきた。 ・・・もしや、9631も2月10日の 「 佐渡7号 」 のように( ・・「越後線編」後日記にて )デッキで身動き出来ない状態なのでは・・・・。
そんなことを考えていても仕方ない・と思い直し、スピードの乗ってきた暗い車窓に目をやると上信越方面の夜行列車と次々に離合する。 「 鳥海 」 「 北陸 」 「 能登 」 と続くが、どの列車も大変込み合っているようである。
ブルートレインの出区した尾久客車区を横目に2326レは上野へ向けラストスパートを掛ける。 5分後の21時55分、上野到着。 定刻である。






3連休前夜の興奮にときめくスーパーシティ TOKIO
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上野駅では、誇線橋上などに待合所が設けられ、○時×分発△△△号◇◇行、3列に並んでお待ちください・・と書かれた札があちこちに下がっている。 今夜は国鉄の「書き入れ時」である。
山手線ホームに出ると、こちらはいつもとかわらずの夜遊び族のラッシュが続いている。
・・4番銭には京浜東北線電車が入りま~す!ご注意ください!  とアナウンスがあった。 すると、ブタ鼻ライトを煌煌と光らせてスカイブルーの103系10連が入ってきた。 続いて反対側3番線にライトグリーンの山手線外回りが入ってきた。 ・・コレはいつもの併走合戦が始まるな・。 と思い、右側ドアのところに立った。 ドアが閉まりこちらが一気に加速。隣の駅に近付き減速したところに山手線のヘッドライトが近付く。
ホームに停まりドアが開くと、さっきのライトグリーンが反対側ホームに入ってきた。 そんなことを何度か繰り返し、神田で降りた。


イメージ 2

22時を過ぎても通勤輸送に活躍する103系   神田



中央線ホームに行くと、ホームの下に並ぶ呑み屋のうちの一軒から出てきたヨッパライが「 おーい、店替えてもう一杯行こうゼ 」などとわめいている。 彼らはこの連休をどう過ごすのだろうか・・。
やがて中央快速が進入、乗車する。・・大分混んでおり、車内は熱気がム~ン!と漂っている。
22時55分、新宿に着いた。






山男で大盛況!! ・・すし詰め列車9631レ
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1980.5.2 中央本線9631レ岡谷行   新宿23:50→小淵沢3:51
 EF64 33 甲
8・スハフ42 2224  南シナ
7・スハフ42 2403  南シナ
6・オハ 46 2626  南シナ
5・オハ 46 2622  南シナ (乗車)
4・オハ 46 2624  南シナ
3・オハ 46 2620  南シナ
2・オハ 46 2621  南シナ
1・スハフ42 2223  南シナ


発車10分前程になると、9631レの発車する新宿駅3番線には「アルプスの広場」から長々とその9631レに乗る人の列が続いている。
胸にワッペン(号車番号のついた)をつけた人は完璧に座れる保障がついている。・・この人たちは朝から並んでいたのだろうか?
1番から8番までのワッペンをつけた人がまずその番号の号車内に入り、席に座る。 そして、ワッペンのない行列がまた1号車から順に満タンになるまで詰め込まれる。
その後(最後に)ホームで待っていた人が乗り込む。 この時点ではデッキまで一杯で、誘導員氏が窓を開けて「 もっと中に詰めてください! まだ乗られるお客様が居ります・・ 」
ボクはホームに居たので5号車の前デッキに押し込まれた。・・この時ほど「東京には人間が多い・・」と感じたことはない。
今日は、通常夜行急行2本のところを季節列車が運転され、441Mも含め夜行列車全8本に増発されているが、それでも乗り残しが出るほどの混雑ぶりである。
一時は明日の高尾発の一番列車にしようかとも思ったが、もう車内に押し込まれているので外に出るどころの騒ぎではない・・。 
この状態は、2月に乗った 「 佐渡7号 」https://asamaginrei.seesaa.net/article/a20530802.html の比ではない。デッキだけで20人はいた。・・まるで戦後の「ヤミ市買出し列車」のような(知らないケド)様相と。
10分ほど遅れて列車は静かに発車。汗の出ていた額に涼しい風が流れる。 足を動かせないのは苦しいが、少しホッとした。
30分後、立川着。ここからも乗車客がいて、内側に開く構造の旧型客車のドアを無理やりこじ開けて二人の客が乗り込んできた。 立川を出て、八王子に着く。ここでも乗り込もうとするバアサマがいて、「 頼むよ、乗せておくれよ~次の長野行(441M)は超満員と放送があってサぁ~ 」と声を荒げている。 ドアのところの人が「 そんなこと言ったって、この状態ではドアが開かないんだょ 」と口論している。
駅員氏が来て「 もう少し中に詰められませんか・・ 」 と聞くと、今度はデッキに居る客のあちこちから「 これ以上はムリだね 」 と声が上がった。
すると駅員氏が強引にドアを押し開けようとするので、中の客も必死になってドアを押し返したがついに二人のオッサンが入ってきた。 このために更に中に押し込まれ、洗面所とトイレの間まできた。客室内を覗いてみると通路に多数の立客がいてとても入る余地がない。
すると入ってきたオッサンが「 まあ、お互い様。 我慢しましょう! 」 などと言っている。 ・・確かにそうだが、後から来たクセに、何を言うか!(と心の中で怒鳴った)
大月ではいくらかの降車客があり、デッキからはとても出られるような状態ではないので、窓を全開にし、そこから降りていった。 ・・少しは余裕が出来たが、相変わらず足が動かせず車内はムシ暑いといった苦しい状態が続いた。
・・いくつかのトンネルを抜けるたびに心地よい涼風が頬をよぎる。 甲府盆地に入ると列車は幾分空いてきた( と言っても、2月の 「 佐渡7号 」 程度になっただけだが・・ )のでだいぶ楽になり、床に腰を降ろせるようになった。
日野春を出ると、「 お疲れ様でした。あと15分程で小淵沢でございます 」 とアナウンスがあった。  ・・3時51分、定刻に小淵沢着。
この駅からはほとんど立客はなくなったが、ここで降りてしまうので関係ない。
「二度とこの列車にはのるまい・・」と硬く心に誓って小海線ホームへ向かった。


この続きは・・

小海線の臨時山男列車・9135D 

1980.5.3 小海線9135D 野辺山行   小淵沢4:16→野辺山4:57
 
キハ 52 22  長コメ        ↑野辺山
キハ 57 23  長コメ (乗車)
キハ 52 101  長コメ


以下 八ヶ岳高原ライン小海線コーナー
https://asamaginrei.seesaa.net/article/a19721981.html
に続きます

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